見ることについて気になっている。写真と絵画のちがいについて考える時、デビッド・ホックニーが始めた写真を部分で撮影してつなぎ合わせる手法を思い出した。写真によるキュビズムや、視点の動き、遠近法にも踏み込んで表現できたのは画家の視点、絵を描く視点があったからなのだと思う。気になって図書館でなつかしく画集を見ていると、ホックニーが写真的視点について研究している「秘密の技法」を知った。カメラ・オブスキュラや、カメラ・ルシーダ、レンズを利用して絵画を描いてきた歴史を研究した学術書だ。最近イギリスで開催されたA bigger picture という展覧会のカタログには大きなキャンバスいくつも繋げて野外で描くホックニーの姿と9台のモニターを繋げた画面に9台のカメラ映像として風景を描いている姿がある。カメラについての考察を進化させているように思う。日本への巡回展があれば、久しぶりにホックニーの絵と映像を見てみたい。