学生の時、漠然とデザインやデザイナーという言葉にあこがれていたはずなのに、大学で学んでいる間に芸術、アート、デザイン、コンセプトなどという言葉に嫌気がさしていました。古い漆椀に美しさを感じた時に、それがデザインされているとは感じませんでした。誰かが作ったということも頭にはなく、ただそこに美しい器があるということだけが浮かび上がったのです。デザインやデザイナーの存在が消えて、当たり前のようにそこにある形。そのためには、あらためて、デザインする事、観察し、考察することが必要に感じます。デザインという言葉の意味が設計や計画ということを考えたとき、デザインするということがこれから、もっと必要で大切なことだと考えています。