お椀の形は昔から変わらないように思えますが、古い時代椀などの資料を見ると多種多彩ではあるもののやはりその時代を映す形をしています。現代のテーブルと椅子での生活では、さらに形は変わってきています。器を作り始めたころは、いい形とはなんだろう。お椀の決定版を作りたいと息巻いていました。今は少し力が抜けて、気持ち良く作りたいということと、お椀の形がどうこうというよりは、器があることで、そのまわりに心地よい空間がうまれることを目指しています。最近は何かを作ろうとする時、フォルムを追うのではなく、そのまわりの空間のたたずまいを意識して制作しています。